性被害後の自傷行為、異性への接触
性被害後、18歳から20歳くらいまでの間、私は何人かの男性に自分から近寄ってその気があるような素振りを見せ、関係を持ってしまうようなことがありました。
全然楽しくないし嬉しくもない。
むしろ傷ついて虚しさしか残らないのに、なぜか何度も付き合っていない男性に近寄ってしまいました。
周りからは節操がなくて軽く、遊んでいるような印象を持たれていたかもしれません。
でも、楽しいからそうしていた訳ではなくて、自分が傷つく事と分かっていていました。
自らを傷つけると「自分の罪」が赦されるような気持ちになり、なんというか...“贖罪”の感覚でしていました。
「自分の罪」というのは、16歳で性被害に遭ったことに関してひたすら自分を責め続け、被害を自分のせいにしていた事から、そのような意識がありました。
全て終わった後はいつも罪悪感と自分に対する嫌悪感でいっぱいでした。恥ずかしくて、この辛さを人に説明する事もできませんでした。
しかし、ある時精神科の先生に正直に話してみたら割とこのような事は性被害者にありがちだという事を知りました。
先生に相談した後、これは心のSOSだったという事に気がつき、性被害が私の罪ではないことを改めて自分の中で認識する作業をしました。
それによって21歳になった今は、完治とはいきませんが、過度に異性に接触してしまうことはとても少なくなりました。
今、冷静になって考えると、辛いと分かって敢えてしていた一連の行動は、自分の中で“贖罪”であり、“自傷行為”でもあったと思います。
私は、精神科でもらった睡眠薬を一気にたくさん飲んで死んでしまおうとしたり、フィジカル的な自傷行為も多少経験しました。
でも、個人的には今回ブログに書いたような、目に見えない、人に理解されづらい傷の方が辛かったです。
性被害を人に相談したらセカンドレイプを受け、自分は責められるべき存在なのだという考えが自分の中で定着した時、自分で自分をセカンドレイプし、自傷し、アイデンティティを壊すような行為を始めてしまいました。
性被害の苦しみは、被害を受けたその時だけで終わらず、時間が経っても形を変えて襲ってきます。
そこまで含めて「性犯罪」の全てとして社会で捉え、理解されてほしいなと、当事者の1人として強く願っています。
前田かや子