ダイバーシティを語るうさぎ「性暴力サバイバー」

性暴力の被害当事者です 。PTSDの事、自分の体験談、日々の楽しみなど色々な事を綴ります。女子大生です。

性被害をサバイブする・今後の目標

こんにちは、前田かや子です。

 

最近はとてもありがたい事に、私の性被害経験をお話しする公の機会や、様々な活動家の皆さんとお会いする機会が増え、非常に忙しくしておりました。

 

ブログやTwitterを始めて、まだ1年経たないくらいですが、沢山の方に支えていただき、実際に性暴力について“現状を変えていきたい“と、連帯して具体的な動きができる方々にも出会うことができ、「被害に遭ってから今日まで生き延びて良かった」と思える瞬間が増えました。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

私にとって2020年は、

・性暴力に関連して、変えるべき社会の問題は何か

・自分に出来ることは何か

・どのように被害経験を語ると社会の為になるか

 

この3点を考えるために情報を集めた1年でした。

 

最初は自分のSNSやテレビなどのメディアで、自分の考えを発信するのみでしたが、だんだん同じ気持ちの方から声をかけていただき、自分の思いを“対話”としてアウトプットする場面が増え、この頃やっと自分に出来る事・すべき事を見つけつつあります。

現時点でやってみたい事を2つ、今回のブログに記しておこうと思います!

 

1.
性被害者が迅速に情報へアクセスできる仕組み

まず1つ目は『性被害に遭った人が迅速に安全な情報へアクセスできる仕組みを考える』事です。

私自身、性被害に遭った後誰に相談していいかもわからず、インターネットで調べた時にも安全な情報も悪い情報も入り混じりすぎて、結局医療機関等に繋がれたのは限界までPTSDが悪化した後でした。

性犯罪に伴うPTSDや性病、妊娠などの様々なリスクを抑えるためには1秒でも早いケアが必要だと思います。

また、被害届などを出して法的に守ってもらうためにも現状では少しでも早い対応が求められます。(←これに関してはツッコミどころが沢山ありますが..)

 

しかし、膨大な情報を取捨選択して適切な機関を探す行動は多くの被害者にとって非常に辛い事だと思います。

 

安全で重要な情報を被害者がすぐに得られる仕組みを社会で作っておくことは必要不可欠で、私もいち被害経験者として出来る事はあると思っています。

まずは

・今、情報へのアクセスはどれくらい難しいか

・どこで/誰と連帯すると解決出来るか

この2点の把握や研究をしています。

何か情報をお持ちの方や一緒に連帯してくださる方は、ぜひ私のTwitterのDMなどへご連絡いただけましたら幸いです。

 

前田かや子Twitter : @diversity_usagiはコチラ⬇️

前田かや子/性暴力サバイバー (@diversity_usagi) | Twitter

 

2.
性的同意の説明法を身につける

最近、Twitter#同意のない性交を性犯罪にというハッシュタグで多くの方が声を挙げており、性犯罪の刑法改正や性的同意への関心が高まっているように思います。

 

しかし、このハッシュタグのフレーズだけが一人歩きをして、性的同意の正しい意味が浸透しなければ、誤った同意の取り方をしたのにも関わらず、

「同意を取ったからコレは暴力じゃない」

と、加害者側の言い訳にこのフレーズが使われかねません。

色々と理由を付けて、本当は暴力だった性交が、正当なものとして埋もれてしまわないように

 

NOと言えない状況でのYESは同意じゃない

 

という事など、社会全体で性的同意の概念を統一しておく必要があると考えています。

 

2021年のザックリした目標に、

「性的同意について色々な場所で正しい概念を話したい」

というのがありまして、実際にいくつかのTVなどのメディアや自分のSNS等で、性的同意について話し始めていますが、なんだか上手い説明方法をまだ見つけられていなくて...

もう少し時間をかけて、多くの方々と対話をしながら、自分なりの“性的同意”の説明方法を身につけていきたいです。

 

 

元々、人前で話す事もそれほど得意ではなく、SNSの運用も苦手だった私が、約1年、性被害について発言し続けられたのは、やはり多くの方々からオンライン・オフライン問わずご支援いただいたおかげです。

今後も、自分自身「生き延びて良かった」と思えるように、皆さんへの感謝を忘れず、目標を達成していきたいです。

 

前田かや子

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フラワーデモ初参加レポ

フラワーデモ初参加レポ

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性被害から約5年が経ち、昨日初めてフラワーデモに参加しました。

初参加で、実際にスピーチもさせていただきました。

性被害に遭ってから今日まで、セカンドレイプPTSD、不眠など挙げ始めたらキリが無いほどたくさんの困難に直面してきました。

スピーチの限られた時間で、全てを語る事は到底無理なので、フラワーデモ当日までの一週間は原稿を何度も書き直し、何を話すべきか非常に悩みました。

 

今回のフラワーデモでは『加害者たちへこの5年間の思いを伝える』とコンセプトを決め、彼らに対する直接のメッセージをフラワーデモの場をかりてお話ししました。

 

中国語のスピーチ

私を加害した人たちは、事件当時中国語を話していました。

そのため、彼らがその時話していたのと同じ言語で、彼らに伝わるよう想いを込めてスピーチをしました。

実際にフラワーデモで使った中国語の原稿

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【日本語訳】

我16岁的时候就被强奸了。

私は16歳の時、性被害に遭いました。

我不知道他们是谁,也不知道他们现在在哪里。

彼らが何者なのかも、今どこにいるのかも知りません。

但是我知道他们已经忘记我了,

他们现在比我还高兴。

でも、彼らが私を既に忘れていて、今、私よりも幸せに生きている事は分かります。

当他们在幸福的生活时,

我却失去了朋友,家人讨厌我,

我也生病了。

彼らが幸せに生活している間、私は友達と疎遠になり、家族ともうまくいかず、病気(PTSD)を患いました。

如果我没有成为强奸的受害者,我会比现在更幸福。

もし、性被害に遭っていなければ、私は今もっと幸せに生きていたはずです。

如果他们现在看着我,请他们知道“你的罪过是不能用金钱和惩罚来弥补的”。

もし、今彼らが私を見ているとしたら、「あなた達の犯した罪は、お金や刑務所に入ることくらいじゃ償えない重大なことだ」と伝えたいです。

 

ピンクのガーベラのお花

フラワーデモを終えて帰宅する直前に、ある参加者の方からとても素敵なピンクのガーベラを戴きました。

『私が初参加の時にしてもらったように、自分も初参加の方へいつかお花を渡したいと思っていた』と仰っていました。

しっかり心を受けとりました..!

私もこうやって心を繋げていきたい!と非常に温かい気持ちで帰路に着くことができました。

きっと、何年経った後でも、私の中でフラワーデモといったらイメージする花として、必ずピンクのガーベラを思い浮かべると思います。

そのくらい私には温かいものでした。

 

私のブログ記事の上で大変恐縮ですが、もしご本人がこの記事を読んでいてくださったら、この場でも改めてお礼を伝えたいです。

ありがとうございました。

 

前田かや子

“性暴力”に関するイベント企画会議 【NanzanAIDの皆さん】

今日は珍しく最近の活動について書いてみようと思います(╹◡╹)/

最近は性被害関連の勉強会をたくさんしていて、自分の性被害について話す機会が多くあります。

 

南山大学 NanzanAID の皆さんと

昨日は、南山大学のサークル『Nanzan AID』の皆さんと、性暴力やセカンドレイプ 、キャンパス内のハラスメントについて意見交換&今後一緒に企画を考えていくためのキックオフミーティングをしました。

Nanzan AID さんは普段、講演会やイベントの企画を作る活動をしているサークルです。

 

今年に入ってから、たくさんの方と意見交換やミーティングを行っていますが、自分と同じ大学生の仲間とオフラインで話し合える機会はあまりありませんでした。真面目に性犯罪やセカンドレイプ について話し合える仲間と新しく繋がれた事がとってもとっても嬉しかったです。

 

ミーティングの前半では私の被害経験について簡単に話し、後半は、「より多くの人に性暴力を身近な問題として捉えてもらう為にはどのようなアプローチで企画を作っていけば良いか」というトピックで話し合いました。

 

普段性犯罪の情報にアンテナの立っていない層の人にも届くような企画をしてみたいね!

 

みんなで話していくうちに少しずつ方向性を掴んでいきました。

例えば、”セカンドレイプ“について。

セカンドレイプ という言葉を性被害当事者になって初めて知る人が多いよね」という話になりました。

「でも、セカンドレイプ をするのは当事者ではなく第三者の場合が多い...。そこの溝を埋めるためには、セカンドレイプの概念を社会の常識として予め浸透させる事が重要だから、その先駆けを私達が担ってみたい!」

 

こんな素敵な考えにみんなで辿り着きました。

長い間実際にセカンドレイプに悩んできた私はすごく希望を感じます....。

また、

セカンドレイプを知れば他の場面でも人を傷つけなくて済むかもしれない。性犯罪以外の切り口からセカンドレイプ を伝えたらよりたくさんの人に伝わるかも!」

というクリエイティブな意見も出ました。

 

私は普段、24時間365日と言っても過言ではないほど性被害関連の問題について考え続けていますが、実際にたくさんの仲間たちと意見交換をすると、1人では分からない視点に出会えます。

今ここに挙げきれないほどたくさんのユニークな意見が出て、とっても有意義で楽しい時間になりました。

 

16歳で性被害に遭い今日に至るまで、私はずっと被害経験を言葉に出すことはネガティブな事だと思っていました。でも、こうやって新しい光を見つける為に、自分のセンシティブな経験も前向きな気持ちで話せるようになったこと、全ての仲間に感謝したいです。


今後もNanzan AIDさんとは勉強会を重ねて、素敵な企画を作っていきたいと思います。

NanzanAIDのみんな、よろしくネ♡

 

応援よろしくお願いいたします。

 

【Nanzan AIDの皆さんと】

(写真掲載の許可を皆さんにいただきました♪)

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性被害後の自傷行為、異性への接触

性被害後、18歳から20歳くらいまでの間、私は何人かの男性に自分から近寄ってその気があるような素振りを見せ、関係を持ってしまうようなことがありました。

全然楽しくないし嬉しくもない。

むしろ傷ついて虚しさしか残らないのに、なぜか何度も付き合っていない男性に近寄ってしまいました。

 

周りからは節操がなくて軽く、遊んでいるような印象を持たれていたかもしれません。

 

でも、楽しいからそうしていた訳ではなくて、自分が傷つく事と分かっていていました。

自らを傷つけると「自分の罪」が赦されるような気持ちになり、なんというか...“贖罪”の感覚でしていました。

 

「自分の罪」というのは、16歳で性被害に遭ったことに関してひたすら自分を責め続け、被害を自分のせいにしていた事から、そのような意識がありました。

 

全て終わった後はいつも罪悪感と自分に対する嫌悪感でいっぱいでした。恥ずかしくて、この辛さを人に説明する事もできませんでした。

 

しかし、ある時精神科の先生に正直に話してみたら割とこのような事は性被害者にありがちだという事を知りました。

 

先生に相談した後、これは心のSOSだったという事に気がつき、性被害が私の罪ではないことを改めて自分の中で認識する作業をしました。

それによって21歳になった今は、完治とはいきませんが、過度に異性に接触してしまうことはとても少なくなりました。

 

今、冷静になって考えると、辛いと分かって敢えてしていた一連の行動は、自分の中で“贖罪”であり、“自傷行為”でもあったと思います。

 

私は、精神科でもらった睡眠薬を一気にたくさん飲んで死んでしまおうとしたり、フィジカル的な自傷行為も多少経験しました。

でも、個人的には今回ブログに書いたような、目に見えない、人に理解されづらい傷の方が辛かったです。

 

性被害を人に相談したらセカンドレイプを受け、自分は責められるべき存在なのだという考えが自分の中で定着した時、自分で自分をセカンドレイプし、自傷し、アイデンティティを壊すような行為を始めてしまいました。

 

性被害の苦しみは、被害を受けたその時だけで終わらず、時間が経っても形を変えて襲ってきます。

そこまで含めて「性犯罪」の全てとして社会で捉え、理解されてほしいなと、当事者の1人として強く願っています。


前田かや子

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加害者の匂い【フラッシュバックのトリガー】

※ 今回のブログには性暴力のフラッシュバックに関する描写や説明があります。辛くなってしまう可能性のある方は、どうか無理をなさらないでください。

(心が癒される、私のお気に入りグッズについて書いた記事はこちら♡)

 

性被害を思い出す新しいトリガー

先日、外出先から帰宅する電車の中で、性被害を受けた当日のことを鮮明に思い出してしまうフラッシュバックのトリガーを新しく見つけてしまいました。

 

どうやら、ある特定の洗剤のような衣類の匂いがダメみたいです。

電車で偶然横に座った方から、ふわっと流れてきた匂いで、性被害を思い出してしまいました。おそらく加害者の匂いに似ていたのだと思います。

 

それから急いで次の駅で降りて、駅のトイレに30分ほどこもりました。手足が痺れて目が回り、被害当日の痛みや恐怖をあたかもリアルタイムで被害に遭っているように思い出しました。

 

ここ最近フラッシュバックの症状はだいぶ落ち着いていて、久しぶりに症状が出てしまったため、本当に焦りました....。

精神科の薬は体が重くなったり、行動するのが大変になってしまうので、大学生活を頑張るために、慢性的な睡眠不足やPTSDの症状をなんとなく自分の中で誤魔化して何年もずるずるやってきてしまったのも問題だったのかなと思います...。

PTSD、ちゃんと治さなきゃいけないのはすごく分かるのですが、薬などで治療をするとなるとなかなか日常生活との両立が辛い時があって....。

私は今まで大学受験、学生生活、アルバイトなどを優先して”普通“に生きるために治療を後に回し続けてきました。

大学受験の時は、センター試験の3日前まで精神科へ入院していましたが、その時も極力薬や積極的な治療は避けて、勉強を続けました。

 

今までそういう選択肢を取ってきたから、今こうやって大学で刑法を学びながらブログを書いたりできているのもあるので、悪い選択ではなかったと思いますが、ただ、少し頑張りすぎちゃったかなと思うこともあります。

 

今回新しいトリガーを見つけてとてもショックでした。「匂い」って急に出会ってしまうものだから避けることもできないし、少し怖いです。しかし、もう一度自らの治療について見直す機会だと捉えて、PTSD寛解に向けて再スタートしようと思います。

 

前田かや子

 

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正常性バイアスと性暴力

今日は8月11日、フラワーデモの日ですね!

コロナウイルスの影響でほとんどオンラインだと思いますが、どうやら一部の地域では街頭でのイベントも開催されるようですね。

私はTwitterから #0811フラワーデモ のタグで参加します(^^)/

 

さて、今日は「正常性バイアス」というものについて書こうと思います。

 

正常性バイアスと性犯罪

 

正常性バイアスとは、

「自分は大丈夫だろう」と考えることによって、心の平静を保とうとする認知バイアスのひとつ

です。 

例えば

「自分に限ってコロナに感染する事はないだろう」とか、

「自分の地域に限って大地震が来る事はないだろう」 などと思い込むことによって平常心を保とうとする人間の心理傾向が”正常性バイアス“に当たります。

 

私はこのブログで、

「性犯罪は社会全体の問題なんだよ!」

と熱心に訴えていますが、どうしても“女性の問題”や“当事者だけの問題”とされてしまいがちな理由に、この正常性バイアスが関係しているように思います。

 

私自身、被害に遭う前は、まさか自分が性被害の当事者になるとは夢にも思っていませんでした。自分が当事者になるだなんて考えたくないし、その可能性を受け止めるのも辛い事だから、まさに正常性バイアスがかかっていたのだと思います。

しかし、いざ本当に自分が被害者となり、自分にかかった正常性バイアスを解かざるを得なくなった時、初めて社会全体の当事者意識が薄いことに気がつきました。

 

まず、「正常性バイアス」というものに人間はかかる!という事実を認識して、その概念が広まれば性犯罪が社会全体の問題として共有されやすくなったりもするのかなあ...と思います。

 

私も、正常性バイアスという言葉を知ったのは結構最近で、防災の話をしていた際に、医療従事者である父に教わりました。

 

どのようにしたら性犯罪を社会全体の問題として、人々に伝わりやすいように共有できるか、道を発見するためのキーワードになると思ったので、今日はブログに書いてみました!

 

でも、“正常性バイアス正常性バイアス
つまり、

「自分に限って正常性バイアスにかかっているはずはない」

と考えてしまう人も出てくるのかな....?と思ったりもします...笑

 

どうなんだろう....

とにかく、正常性バイアスという言葉は何かの手がかりになりそうです(╹◡╹)

 

前田かや子

 

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結局私はどうしてほしかったのか【性被害を打ち明けたとき】

結構私はどうしてほしかった?


性被害に関連した出来事の中で、私が一番辛かったのは、家族から「そんな恥ずかしいこと他人に相談するな」と言われた事でした。

被害そのものと同じか、それ以上に悲しい事でした。

その経験が私の中で大きかったため、最近は「セカンドレイプ だめ!」と熱心にTwitterやブログで叫んでいます。

では、身近な人に被害を打ち明けたとき、いったい私はどうして欲しかったのか。また、どうしてもらった時に嬉しかったのか、

今までの経験から真面目に考えてみました。

(超、超個人的な考察なので、参考程度にお読みください 笑)

 

「教えてくれてありがとう」

私が今まで被害を打ち明けた人に言われた言葉の中で一番嬉しかったのは、被害後に付き合っていた人に言われた「教えてくれてありがとう」という言葉でした。

それまで母に言われた「他人に相談するな」というのをすごく守って、一人で抱え込み続けていたのですが、だんだん精神的に不安定な時期が続き、当時付き合っていた彼氏に話さざるを得なくなりました。そのため、母の言いつけを破った罪悪感と、自分の恥ずかしくて汚い部分を好きな人に知られてしまったという絶望感でいっぱいになりました。

しかし、そんな時に「教えてくれてありがとう」と言われてどれだけ心が救われたことか、、今はもう別れてしまった方ですが、感謝してもしきれません。

「教えてくれてありがとう」という言葉はすごく嬉しかった.......。。

 

普段と変わらない様子で

そして最近もう一つ、意外な形ですごく救われたエピソードがありました。

 

実は今年で被害から5年が経ちますが、初めてこの間妹に被害を打ち明けました。

被害の話を聞いた妹は最初こそとても驚いていましたが、私が予想していたよりずっと落ち着いていました。10分後には、ゲームや学校の話など、普段と変わらない話をしていたし、普段通りに接してくれました。

 

私が昔、家族だからこそ打ち明けるのが辛かった理由の一つに「平和なこの家庭を、私が打ち明けることで壊してしまうかも」という不安がありました。そして、母が私の被害を知った時の反応を見たら、その通りになってしまった!とずっと思っていました。

しかしそんな中で妹が、被害を知る前と同じように接してくれた事は、何も特別な言葉を言われなくても、私にとっては充分温かくて、安心できる事でした。

 

以前、クローズアップ現代の性暴力の特集で、自身も性被害の経験を公言されている三浦瑠璃さんが、「周りがジタバタしない事が大切」とおっしゃっていました。

本当にその通りです。

本人の意思と離れたところで、

騒いだり、隠蔽しようとしたり、警察に連れて行ったり、、、

悪意はなくてもむしろ善意でも、被害を受けた本人はそれによって不安になってしまう事があります。

無反応が良いとか、放置するのが良いと言いたい訳ではなく、“本人の意思を聞いて対応する事”、“本人が意思を伝えやすい環境を作ること”の2点が大切だと思います。

 

被害を受けた場合、人によって周りの人にどうして欲しいかは異なると思いますが、だからこそ、全てのケースに共通して言える最も重要なポイントは「本人の意思を尊重する事」だと思います。

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Twitter @diversity_usagi

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