ダイバーシティを語るうさぎ「性暴力サバイバー」

性暴力の被害当事者です 。PTSDの事、自分の体験談、日々の楽しみなど色々な事を綴ります。女子大生です。

5/8質問箱 - 性犯罪は誰の身にも起こり得る

今日は金曜日なので、今週匿名質問箱に頂いた質問に答えようと思います(╹◡╹)/

質問をお寄せいただきありがとうございます!

 

Q.

性被害について認識の甘い人、甘く見ている人に何か一言言うとしたら、何を言いますか?

 

A.

性犯罪は誰の身にも起こり得る犯罪です。

性別や年齢も関係ないし、“スカートを履いていた“とか“一人で道を歩いていた”とか、被害者の行動も事件の原因には関係がありません。

だれの身にも性犯罪は起こり得るという事を社会全体で意識する事はとても重要だと思います。

 

私は実際に性被害に直面してみて、「当事者」というのは被害を受けた人だけを表す言葉では無いことを知りました。

被害に遭ったのは私一人でしたが、私が相談をした人(母や友達など)も、その時当事者になったのだと思います。

きっと、私が被害を打ち明けた事によって、母や友達はかなりの精神的ダメージを負ってしまったと思うからです。

また、何の知識もなく、ある日突然当事者になると、対処の仕方がわからず、被害者にセカンドレイプをしてしまうケースもあります。

母は私が性被害を打ち明けてから、「セカンドレイプ 」に当たる言葉で何度も私を傷つけました。

性被害に遭った人をセカンドレイプに当たる言葉や行動で傷つける事は、立派な加害であると私は考えています。

実際に、私が被害に遭ってからの数年を振り返った時、被害そのものの精神的ストレスもかなり大きかったですが、それと同じくらい母からのセカンドレイプは辛いものでした。

きっと、母はまだ性犯罪について十分な知識がないため、自分の言葉が凶器となって、二次的な加害者となっている事に気がついていないと思います。

 

セカンドレイプを防止するためには、全員が性犯罪に対して当事者意識を持ち、性犯罪が社会全体の問題である事をみんなが認識しておくことが必須です。

現在の日本社会において性の話題はタブー視されてすぎており、大人もしっかり話し合えていないのではないかと感じます。

まずは、性犯罪は誰の身にも起こり得る犯罪であること、また、知識がないと自分の言葉が被害者にとって凶器となり、二次的に加害してしまう可能性があることを一般的な常識として浸透させる事が大切だと思います。

 

最後に、質問にもあるように「一言」でまとめます!

「性犯罪の知識を持っておくと、自分も大切な人も守れるよ!」(╹◡╹)

 

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性被害後 - パートナーとの関係

私は現在大学生なので結婚はしていませんが、パートナー(彼氏)がいます。

今日は性暴力の被害者として、パートナーとどのように接しているか書いてみようと思います。

(当ブログは私のパートナーも読んでいるのであまり過去の恋愛の話はしたくないのですが、今回はごめんね、笑)

 

私は性被害に遭ってから、何人かの方とお付き合いをしました。その人との関係性やタイミングによって、被害を打ち明けた人と、打ち明けられなかった人がいます。

 

今まで、現在のパートナー(以下山田くん)を含めてお付き合いした人の中では2人に被害を話しましたが、2人とも本当に善い人で、しっかり私の気持ちに寄り添ってくれました。

山田くんは、私の被害を受け入れるのと同時に、私が当時のことを思い出して精神的に不安定になってしまう事も分かってくれています。本当にありがたいです。

 

被害後、私は男性がとても怖くなりました。今でも少し怖いと思ってしまうことがあります。しかし、男性が怖いと思う気持ちがあるにも関わらず、何故かいつも彼氏がいないと不安を感じるようになりました。

そのため彼氏ができては私の情緒不安定についてこられなくなった彼とうまくいかなくなり、そしてまた彼氏を作って同じ事を繰り返す、という事を短期間で何度もしました。彼氏とうまくいかなくなるたび、男性に依存してしまう自分に対する嫌悪感で精神がどんどん削られていきました。

男性が怖いのに、彼氏という存在に依存してしまう理由はだいたい自分でも分かっていました。それは、性被害に遭ってから“個人的関心”を持って話を聞いてくれる存在をどうしても常に繋ぎ留めておきたかったからだと思います。

正確にいえば、性被害に遭ってからと言うより「母に性被害を打ち明けてから」かもしれません。

 

母に被害を打ち明けた時のお話はこちらのリンクからどうぞ!

 

母に被害を打ち明けた時、母は私の味方をしてくれませんでした。それから自分の身内に心情を理解してくれる人を探すのに必死になりました。専門の相談機関の方はとてもよく話を聞いてくれてとても助かったのですが、どうしても“身内”にそういう人が1人でもいてほしくて仕方ありませんでした。今もそうです。

 

現在も多分、その依存は治っていなくて、山田くんにも精神的にかなり依存して負担をかけてしまっていると思います。

彼氏という存在は、結婚した配偶者のように確実なものではないから、いつか無くなってしまうかも!という不安に押しつぶされてしまう事も多々あって、その度に山田くんに迷惑をかけてしまっています。

私の男性に対する依存心はかなり重くて相手に負担をかけてしまっている事は重々承知です、、、山田くんごめんね、、(ToT)

 

でも、彼氏がいる事自体悪いことでは無いはずなので、少しずつ相手に負担をかける依存の仕方はやめて、お互いに楽しくいられるような関係性を築くために、精神的に自立できるような練習をしてみようと思います。

肝心の具体的な作戦はまだ立っていませんが....(*´-`)

 

ちなみに、上記で「被害後男性が怖くなった」と述べましたが、たまたま私の事件における加害者が男性であっただけで、加害者以外の男性は何も悪くありません。ましてや世の中には男性の性犯罪被害者の方もいらっしゃいますから、「男性」という属性で全てを悪とみなしているわけではありません。ただ、私は公園の公衆トイレを見ると(事件と全く関係のない公園でも)被害当時を思出だしますが、同じように”男性“もトリガーの一つでした。

世の中の性犯罪の加害者が全て男性だという判断で男性が怖くなったわけではありません。

 

✂︎---------

 

 

山田くんには、近々私が性被害をカミングアウトした事に関してインタビューをする予定なので、このブログにもその一部を掲載できればと思います!

 

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組織作りの勉強会

昨日、「組織を作るためにはどのようなアクションをすべきか」という内容の勉強会に参加しました。

コミュニティを作るには色々な段階や方法がありますが、昨日は「自分のストーリーを語ること」というセクションにフォーカスした勉強会でした。

 

自分のストーリーを語ることは、同じ志を持った仲間を集め、コミュニティを作るためにとても重要 だそうです。

勉強会の中で、「あなたは何故ジェンダー問題に取り組むのか」というお題でそれぞれ自分のストーリーをまとめ、お話しするという演習がありました。

私は自分の性被害の体験をジェンダー問題に向き合って活動している理由に繋げ、詳しくお話しました。

 

性被害の事は思い出すだけでも苦しいです。

でも、私は自分の被害を語っていくことによって、性犯罪やセカンドレイプについて議論しやすい社会作りに少しでも貢献したい!という思いでブログを書いたり勉強会に参加したりしています。

とはいえ、まだまだ性被害で負った心の傷が癒えていない事に気がつく瞬間が、活動をしているとけっこうあって、、、

最近は今回の勉強会のような場で自分の経験を話すことも多く、わりと外見は気丈に話しているのですが、実は内心ものすごく不安定になっています。

自分の被害を無駄にしたくない一心で、何度も悩んだり立ち直ったりを繰り返しています。

その繰り返しで強くなっていけたら良いなあ..(*´-`)

 

私は現在大学生なので、まずは自分の地域の学生向けに“性的同意”についてのワークショップを開催したり、性犯罪について考える会を企画したりしてみたいと考えています。

そのために、今は性犯罪に関する知識を増やしたり、組織作りの勉強会に参加したり、教授に連絡をとったり、コツコツ準備をしている段階です。

学生でいられる時間は限られているので少し焦っていますが、自分に出来ることをしっかり考えてマイペースに活動を続けていきたいと思います。

それから、無理をしすぎず自分の体調をしっかり気にかけることも、今後の大事な課題です٩( 'ω' )و

 

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Twitter : @diversity_usagi

 

公式ツイッターと匿名質問箱

ダイバーシティを語るうさぎの公式ツイッターが登場しました!

ツイッターのアカウントは

 

@diversity_usagi

です。

 

ツイッターではブログの更新をお知らせしたり、気になったジェンダーイシューや日常の事などについて呟いています。

ツイッターは日本語と英語の2つの言語で運営しているので、一人でも多くの方に私の声が届くと嬉しいです。

 

また、みなさんの意見を知ったり、性暴力の事やジェンダーの事など幅広く話すことのできるプラットフォームのような場所になればいいなと思い開設しました。

まだブログもツイッターも全く成長していない状態ですが、、(笑) いつでもみなさんに見ていただき、交流できるような体制を整えてみました!

 

性暴力やジェンダーの話題はとてもセンシティブなものです。そのため自分のアカウントから、コメントを入れにくいという事もあるかと思います。

そこで、匿名で質問や意見をダイバーシティを語るうさぎ宛に送ることのできる「質問箱」も作成しました。

質問箱にはこちらのURLから入ることができるので、是非お気軽にメッセージを送信してください!

 

質問箱にコメント等を頂いた場合、その週の金曜日にまとめて当ブログにてお返ししようと思います。

Twitter→ @diversity_usagi

匿名質問箱→ こちら

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ダイバーシティを語るうさぎ公式ロゴ

 

身近な人が性被害にあったら

こんにちは。

コロナウイルスの外出自粛で家にずっといるのに、部屋の掃除は全く捗らないダイバーシティを語るうさぎです。(╹◡╹)♡

明日から在宅オンラインミーティングが連日あるので、今日こそ他人に見せられる部屋にしなければ!!!

 

さて、前回のブログでは性暴力の被害を母に打ち明けた時のエピソードを書きました。

思ったように寄り添ってもらえず心に傷を負ってしまったというお話でした。

今回は“自分が母に話した時にどうしてほしかったか”、また、“もし身近な人に被害を打ち明けられたらどういう言葉をかけたら良いか”ということについて私の考えを書いてみます。

 

 

あなたは悪くない

性犯罪の被害にあってから、私は自分のことを汚い存在だと思っていたし、女性として、一人の人間として大切でプライベートな部分を加害者によって踏みにじられて、それを守ることができなかった自分には価値がない!と考えるようになっていました。

被害に遭ってしまったのはその時うまく抵抗できなかった自分が一番悪いとも思っていました。私の場合、被害は全く知らない人からだったので特定の顔の分かる誰かを責めることができず、ただただ自分に非があると感じて毎日自分を責める気持ちに苦しみました。

 

そんな時に、

「あなたは悪くないよ」

と誰かに言ってもらえたら私はもっと楽に生きられたと思います。

性犯罪において、被害者に非があるというのはあり得ないし、悪いのは絶対に加害者です。でも被害に遭ってすぐの当事者はアイデンティティも揺らいでしまうし、自分の事を客観的に見ることができず、自分を責めてしまうことは少なくありません。

一番最初に

「あなたは悪くないよ」

「私はあなたの味方だよ」

とはっきり言ってくれる人がいれば、その言葉は必ず後の困難に打ち勝つ力になります。

 

もし身近な人が性被害に遭ったら?

では、もしあなたの身近な人が被害に遭った場合、どのように接すると良いのでしょうか?

自分の経験から考えたことをお話しします。

私は母に被害を打ち明ける前に、当時仲の良かった友達にラインで話し、それを母が見つけたタイミングで初めて私から母に伝えたという流れでした。

その時、

「こんな恥ずかしい事を何故他人に話したんだ」

と叱責されてしまいました。

 

  • 打ち明ける事で家族に嫌われたくなかった

 

  • 一番近い存在だからこそ家族には話しづらかった

 

  • 当時を思い出して言葉にすることが辛かった

 

家族に一番に話せなかった理由は私なりに色々ありました。全てではありませんが、その理由の一部を母に説明した事もありますが、理解してもらえませんでした。

また、他人に話した事を叱責された事で、ますます自分が家族に迷惑をかけて悪い存在だと思うようになってしまいました。

 

事件から5年ほど経って、当時のことを冷静に考察できるようになった今は自信を持って言えます。

家族だからこそ話しにくいことはたくさんあるし、誰に話すかや、そのタイミングは本人が選ぶべきことです。

被害当事者の周りの人は無理に話させたりせずに、本人が話したい人、話せるタイミングで話せるようにすることが重要だと思います。

 

また、家族の関係において、平素からコミュニケーションを大切にして、お互い相談事をしやすい関係性を築いておいたり、親子で性の話題(”下ネタ“ではなく性教育のようなもの)を話し合える関係でいることの大切さを自分が性被害に遭ってみて改めて痛感しました。

 

性犯罪を自分とは関係のないものだと思わずに、社会全体の問題としてみんなが当事者意識を持ち、改めて性教育の大切さについて議論が展開されやすい世の中になることを、性犯罪の被害を経験した一人として切に願っています。

 

 

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母に性被害を話した時 - セカンドレイプ

性被害を母に打ち明けた時

性被害に遭ってから、私が一番最初に相談したのは家族ではありませんでした。

私は最初、仲の良かった中学の同級生に相談したのですが、ある日、その時友達に送ったLINEを母に見られてしまいました。

 

「何でこんな恥ずかしい事他人に話したの?」

 

「こんな事があったなんて近所に知られたらもうこの場所に住めない、どうしてくれるの?」

 

「なかったことにしなさい」

 

断片的にしか覚えていませんが、だいたいこのような事を言われました。

心のどこかで、「あなたは悪くないよ」と私を肯定してくれる言葉をかけてくれると期待していたので、被害に遭ったその事実よりも母の言葉は私の心を傷つけました。

 

その後も、時々被害の話を母とする機会がありましたが、一度も味方になってくれた事はありません。

それからなんだか母との関係は歪んだものになっています。

 

 

セカンドレイプ 

だいぶ時間が経って、その時の母の言葉はセカンドレイプというものに当たる可能性があると知りました。

 

広辞苑の中で、セカンドレイプとは

 

『性暴力の被害者が、被害を公にすることで、周囲の誤解や好奇により二次的に精神的苦痛や不利益を被ること』

 

と定義されています。

私の母は、世間体を気にして発した言葉が私を傷つけた、というパターンですが、もしかしたらそこに悪意はなく、母として娘には”普通“の人と同じ人生を送ってほしいと考え、正直な気持ちを言っただけなのかもしれません。しかし結果的に私は深く傷ついてしまいました。

100パーセントの悪意で発した言葉でなくても、センシティブになっている被害者にとっては鋭利な刃物である可能性があります。

傷つけるつもりがなくても、ちょっとした発言が被害当事者にとって辛いものである場合があるということです....。

 

セカンドレイプについて有名な例を挙げますと、ジャーナリストの伊藤詩織さんがご自身の被害経験を公にされた時、詩織さんにたくさんの辛辣な言葉が浴びせられた、ということがありました。おそらく、セカンドレイプだという自覚なしに、ただ独り言を言うようにSNSなどでそのような言葉を発してしまった人も少なくないでしょう。

 

セカンドレイプ“という言葉は私も被害当事者になるまで知りませんでしたし、まさか性犯罪の被害者に自分がなる日が来るなんて思った事はありませんでした。

実際に性犯罪に直面してみないと、当事者意識が湧かないというのは、今日の日本社会において、性についての話題はタブーなものとされすぎており、社会全体でみんなが考える機会が少ないことも大きな原因の1つであると私は考えています。

性犯罪が身近なものになってしまう可能性は誰にでもあります。

歯が痛くなったら歯医者さんに行く、というのと同じように、自分や身近な人が性犯罪に直面した時、どうしたら良いのか平素から社会全体で考え、ある程度の知識を持っておく事はセカンドレイプの防止にも繋がると思います。

 

 

私は今、社会でセカンドレイプを防ぐためにはどうすべきか、自分なりに研究や勉強をしています。

まだまだ分からない事ばかりですが、知識をたくさんつけて、セカンドレイプの防止に貢献できたらいいなと考えています!

 

 

次回のブログには「私が母に被害を打ち明けた時、どうしてほしかったか」について書いてみようと思います!

 

 

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コロナウイルス - covid19のこと

コロナウイルスの影響で学校やバイトも無くなってしまったので、私は家にこもりっぱなしです。

 

何でもかんでも被害のせいにするつもりは無いのですが、被害に遭ってから変わってしまった事はやっぱり多くて、挙げだすときりがないのですが「おうちにいづらくなったこと」や「趣味を面白く感じなくなったこと」もその類の変化です。

お家が辛くて趣味も少ない私にとって、このコロナ期間は非常に辛いです。笑

 

被害を母に打ち明けた後、母は世間体だけを気にしていわゆる「セカンドレイプ」に当てはまる発言を私に対して繰り返しました。どうしてもそれが心に引っかかって、母に心を閉ざしてしまっています。なのでこの期間もお風呂以外はほとんど自室にいますが、家族からは何もしないダラけた引きこもりという評価を受けているようです.....笑

まあ、部屋にこもりっぱなしじゃしょうがないですね(´-`).。oO

 

※ 母に被害を打ち明けた時のエピソードはこちら

 

 

実際この”おへや時間“に何をしているかというと、英語の翻訳を練習してみたり、大学の教科書を読んでみたり、youtubeを見てみたり、友達と電話したり、自分なりに有意義な過ごし方をしているつもりです。

 

 

また、おうち時間の増加によって家庭内暴力や虐待の問題が深刻になっている家庭もあると聞きます。

家庭内の問題であっても、身内だけでどうにもならないレベルのものは結構あります。

病院や専門の相談機関でも良いし、信頼できる友達でもいいし、本人が話したいと思える人に頼る事はとても大切だと思います。

また、逆に当事者の近くにいる人は無理やり話させたりせずに、「いつでも話したいときに話してもいいよ」と、相手のボールをいつでもキャッチできる姿勢を作って見せ、いざ打ち明けられたら否定せずに「あなたは悪くない」とまず最初に言ってほしいなと思います。

これは、私が性被害を受けた時、母にしてほしかったことでもあります。

 

1日でも早くコロナがおさまりますように。

早く旅行に行きたいなあ